「・・・んっ・・・」
唇を強引に重ねられた
・・・そのままその唇が首筋へ伝っていく
触れられる度に
あたしの体がビクッと反応する
「あ・・・んん・・・」
白い肌が次第にピンク色を帯びてゆく
息も速くなり
滑らかな肌の表面に汗がにじみ出てきた
・・・彼女は気づいているだろうか
口では嫌がっているが
その体は決してわたしを拒んではいない
「や・・めて・・・」
腕を束縛されて
抵抗できないまま開放された胸元に唇が落ちる
「はっ・・・はうっっ・・」
思わず裏声が漏れた
その先端を舌先が転がすように這いずり回る
「んっ・・・・・や・・やめ・・・」
舐めまわされる舌先に感覚が集中する
・・・段々と体中の感覚が麻痺していく
手の先まで力が伝わっていかない
もう・・・息をする事だけで精一杯
「・・・はあ・・はあ・・・
はう・・・・・」
「・・・・・・」
あたしの腕に力がなくなってきたことに気が付き
掴んでいた手を離した
その手が今度は胸を弄ぶ
「や・・・・・はっ・・・んんっ」
包み込んだ手のひらが
そのまま膨らみを撫で回す
ゆっくりと揉み上げ
先端を指先で抓まれた
「んんっ・・・ああ・・・」
言葉をかけられる事もなくただ淡々と続けられていく
・・・自分の体が彼の好きに扱われている
こんなの・・いやだ・・・
頭が否定していても体が愛撫に応えるように反応する
・・・そんな自分が許せない
彼女の体がわたしの唇と指先の動きに敏感に感じている
拒絶の悲鳴ですら喘ぎ声に変わっていく
・・・心より体のほうが正直だ
愛撫する手が腰の線を伝い
太ももに辿り着き
ゆっくりとした手付きでさする
「んっ・・・あう・・・」
そのまま指先がその奥に滑り込んだ
「!!
いやあっだめっ」
体が今までにない大きな反応をする
・・・一番触れられたくない所
そこを指先が執拗に弄ぶ
「あっ・・・んっ・・んん・・・」
頭が混乱して思考がまとまらない
抵抗しないといけないのに・・・
体が動かない
「・・・濡れているではないか
体はわたしに従順だな」
「!!」
恥ずかしくて赤くなる顔をデマンドが面白そうに眺める
・・・これ以上彼を楽しませたくない
「・・・くっ・・・・・・ん・・」
瞳と唇を硬く閉じた
・・・全身が痺れていて思うように力が入らない
それでも
必死に声を押し殺して止めようとした
「ん・・・・・・んんっ・・・」
指先が容赦なく動かされる
「・・・セレニティ」
耳元で囁かれた
「我慢しないで声をあげろ」
「!!」
弄ぶ指先がいきなり強く・・速くなる
「あっ・・・やっ・・いやっ
は・・激し過ぎるよ・・・」
いきなりの衝撃に体が・・・負けそう
首を振って耐えた
「いや・・・やめてっ
・・・お願い」
「・・・・・・」
懇願する声を無視して続けた
悶える姿がわたしの心をより一層燃え上がらせる
息をする度に胸の膨らみが揺れ動く
その先端に歯を立てた
「あうっ・・・!
やめっ・・・だめえっ!
あっ・・・ああっっ・・・!」
頭が 真っ白
思考が・・・停止する
「はうっ・・・んんっ・・!!
・・・あ・・・・・・」
しなやかな体が反り上がった
全身が小刻みに痙攣する
「はあ・・・はあ・・・」
体が・・・熱い
視界が霞んで焦点が合わない
ぐったりと
果てた様子でこちらを凝視している
もはや反抗の言葉も出ないか
指を内部から引き抜いた
「あうっ・・」
温かい、ねっとりとした粘液の感触
「もうイったのか
・・・呆気ない」
「!!」
冷笑を浮かべ 指先をなめた
その勝ち誇った瞳があたしの羞恥を倍増させる
悔しい・・・悔しいよ!
恥辱に溢れた瞳
その奥に垣間見られる あの日と同じわたしを蔑む瞳
やはり彼女だ
それだ
その瞳をずっと支配したかった
「ククク・・・
随分と可愛い声で鳴いてくれたな
・・・次はこちらの番だ」
そのまま行為は続けられた
太ももを捕まれ、強引に開かれる
いやだ・・・もうやめて・・・
拒絶の声すらもう出てこない
執拗に攻められ続け
体は既に抵抗を諦めていた
「あ・・・んっ・・・!!
・・・くっ・・・ああっ・・・」
シーツを握る指先に力が入る
デマンドが翻弄されるあたしの様子を眺めて
冷笑を浮かべ 囁いた
「体の力を抜け
後が辛いぞ」
「あっ・・・いやっっ・・・・・んんっ!!」
既に敏感になっている内部に
容赦なくソレが進入してきた
目を硬く閉じてされる事に耐える
少しずつあたしの中に腰が沈んでいく
「・・・やだ・・・・・・ああっ!」
そのまま奥の方まで押し込まれた
恥ずかしさと
ろくに抵抗も出来ない口惜しさから
顔を赤くして目を伏せる
「・・んっ・・・はあ・・・
・・・・あうっ!」
全身を乱暴に抱きこまれた
汗ばんだ肌が密着する
その腕からは優しさのかけらも感じられない
そのまま腰が動き始めた
ゆっくり ねっとりとまとわりつくような動きで
敏感な内部を掻き回される
「はっ・・・うっ・・・・・・ああっ・・・」
一方的なその行為に
唇を噛んで必死に堪えた
ベッドが動きに合わせて軋む音がする
「んっ・・・・・・んんっ」
わたしのする事に快感を覚えながらも
心はそれを受け入れたくなくて葛藤している
その苦痛と悦びの狭間の表情がたまらない
ぞくぞくさせられる
「・・・いい顔だ」
耳元に息を吹きかけた
「あっ・・・ああっ・・・」
思わず声が上がる
わたしの腕の中で可愛い声を上げ
打ち震える彼女の姿
・・・あの男に見せてやりたい
「・・・愛しい男の名前でも呼べば良い
己の無力さを嘆いて
届かない声で助けを呼べ」
デマンドが嘲笑う
まも・・・ちゃん
助けを呼んでも届かない
・・・月の光すら届かない
なんて遠い所まで連れ去られてしまったのだろう
何も出来ない無力な自分にひどく腹が立つ
「・・・うっ・・・くっ・・・」
悔しさから頬に涙が一筋伝った
認めたくない・・・
彼との交わりに体が応えているなんて
せめてもの抵抗は
声を出さないように必死に堪えることだけなのに・・・
体の力が抜けていてそれもできない
されるがままに声が漏れる
「はうっ・・・あっ・・・・・・んんんっっ」
その荒い息を唇が塞ぐ
呼吸を止められて 心臓がどくどくと脈を打つ
「んっ・・・ぷはあっ・・・
だめっ・・・あっ・・・・・・いやあっ」
腰の動きに連動して
何度も快楽の波が押し寄せてくる
容赦なく攻められて休む事ができない
「セレニティ・・・」
漏れる吐息から呼ばれた名前
違う・・・あたしは今はセレニティじゃない
ネオクインセレニティでもない
・・・月野うさぎよ
プリンセスでもない、ごく普通の女の子なのに
みんなと平和な世界で笑って暮らしていたのに
なんで・・・こんなことに
今置かれている状況が信じられない
信じたくない
夢なら覚めて!
「・・・っく・・・えっく・・・はう・・」
耳元ですすり泣く声
それすらもはやわたしの耳には届かない
何も聞こえない
ただ夢中で彼女の体を貪った
「あっ・・・んん・・!
・・・く・・苦し・・!」
抱きしめる腕に強い力が加わる
息が・・・できない
デマンドの腰の動きが段々速くなっていく
「いやっ・・・あうっ・・・
・・・激し・・・過ぎる・・よ・・・・」
もう・・・だめ
心が快楽に呑み込まれていきそう
「・・・くっ・・・・・」
耳元で聞こえた小さく呻く声
強く抱きしめていた腕がいきなり緩められた
そのまま体が離れる
「あっ・・・やっ・・・
・・・・・・っ!」
「・・・っ!・・・」
引き抜かれた先から欲望が解き放たれた
白い肌の上に容赦なく散る
「・・・はあ・・はあ・・・」
「・・・・・・っ・・」
汗の雫が銀色の髪を伝い
その上に落ちた
「・・・はあ・・・・・・・・・」
感情をあらわにしていた顔が
すぐに冷静な表情に戻る
「・・・・・・」
汚れた肌を布で拭われた
激しい行為の後始末
いつも 自分がひどく汚された気分になる
心も・・・・・・体も・・・
それを拭うことはできない
胸が・・・苦しい
「・・うっ・・・っく・・・
・・・ひどい・・・どうして・・・」
この人の前で泣きたくない
・・・だけど抑えられない感情が涙になって溢れ出る
毎回飽きもせず涙を流す
・・・よく泣く女だ
泣くことしかできないのか
「大分体もわたしに馴染んできたようだな
もうおまえはわたしのものだ」
金色に輝く垂れ髪に指を通す
「・・・違う」
かすれるような弱々しい声が反論した
「あたしの心はあなたのものじゃない」
青い瞳がわたしを睨む
「好きなだけ睨めば良い
おまえも感じていたではないか
・・・強がるな」
「!!」
ベッドから降りて
おもむろに服を着だした
平然とした態度が後姿からも伝わってくる
・・・なんて憎らしい
「そんなの・・・ただの一時の迷いよ
本当の愛じゃない
絶対に・・・
絶対に渡さない!!」
愛だと?
そんなものを信じているのか
・・・くだらない
「・・・・・・」
マントを着けると、あたしの方を振り向いた
顎を指先で押し上げられる
冷酷な瞳があたしを覗き込んだ
「・・・・・・」
涙で潤む瞳で精一杯睨み返す
「・・・強がっていられるのも今のうちだ
その瞳も
心も必ずわたしの前に屈服させてやる」
体を乱暴に押された
反動でベッドに倒れこむ
「おまえは必ずわたしの前にひれ伏す
・・・その日が楽しみだ」
乱暴な言葉をあたしに投げ捨て
マントを翻し、扉の奥の闇に消えていった
「・・・っく・・・ふ・・・・ふええ・・・・」
デマンドがいなくなったのを確認すると
感情が爆発してそれが声に変わる
ベッドに崩れ落ちて大声で泣きじゃくった
・・・好きでもない人に無理矢理体を奪われる
女として最大の苦痛を何度も味わわされてきた
悔しさと、やるせなさと、嫌悪感が精神を侵していく
・・・このままだとエナジーが尽きる前に心が壊れてしまうよ
助けて・・・
この苦痛からあたしを解放して!!
「ククク・・・」
長い回廊を歩いていたら
自然と笑いが込み上げてきた
何度も辱めを与え
大分彼女も観念してきたようだ
あの瞳をもうすぐ支配できる
それで彼女の心が壊れようと知るものか
おまえのエナジーが尽きるまで弄んでくれるわ
「・・・・・・」
足が 止まった
望みが叶う日がもうすぐ来ると言うのに
・・・なぜだ
心が晴れない
彼女の泣き顔ばかりが思い出される
なぜあんなに泣くのだ
・・・分からない
「・・・ふんっ」
鼻で笑う
そんなこと・・・どうでも良いことだ
セレニティの気持ちなど、気にする必要もない
わたしはわたしの好きにするだけだ
自分の中で感じたことのない
不思議な感覚が芽生えた気がした
「・・・・・っ・・」
それを握り潰し、闇の回廊を再び歩き出した
静かな空間に自身の足音だけが響き渡る
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