柔らかい日差しが差し込んでくる

 ・・・眩しい






 見慣れた天井
 なつかしい風景

 あたしの部屋だ



 夢・・・だったの?

 ・・・どこから?

 温かい唇の感触がまだ残っている気がする


 それとも
 なにもかもすべて夢だったのだろうか 



「うさぎちゃん?」

「・・・ルナ
あたし、一体」

「昨日、30世紀から戻ってきたのよ
うさぎちゃん・・・ずっと眠ってて」

 30世紀から・・・戻って

 そっか、そうだよね


「夢じゃ、ないんだね」

「うさぎちゃん・・・」


「・・・ちびうさは?」

「未来に帰ったわ
みんなも無事よ
・・まもるさんも」

「そう・・・良かった


ルナ・・色々と心配かけてごめんね!」

振り返ってにっこり笑う

「うさぎちゃん・・無理しないでいいのよ」

「ううん、あたしはもう大丈夫だよ


・・・あっもしかして今日、学校なんじゃない?

もうこんな時間!?」

 急いで準備を始める
 階段を下りる 慌しい足音

「もーママっ
何で起こしてくれないのっ」

「何度も起こしたわよ!
ほら、お弁当」

「ありがとっ」

 いつもと変わらない朝の風景
 まるで何事もなかったみたい


 ・・・夢だったなんて思わない

 ネメシスで暮らした日々

 間違いなくあの時間は存在した

 それを忘れることなんてできない




 だけど

 光の中で輝くあたしが好きだと言ってくれた
 その言葉を信じる



 あなたの好きだったあたしでいよう

 立ち止まらず前を向いて歩いていけば
 いつかきっと会える

 そんな気がする


 靴を履いてドアを開ければ
 そこは光に包まれた温かい世界



「今日もいい天気!
ママ、ルナ

いってきます!!」