「うさぎちゃん!」

 やめて・・・あたしの心を揺さぶらないで!
 何も聞きたくない


 セレニティの心が悲鳴をあげているのが分かる
 この星に留め置く事でこんなに苦しませる事になるとは

 わたしはどこから間違っていたのだ


 ・・・・最初から 何もかもすべてか



 あたしにどうしろと言うの!?
 分からない・・・分からないよっ



 その時だった


ドンッ!!


 !!!

 地面が大きく振動した

「何!?」


「反応炉か!!」

 振り向くとそこからはものすごい勢いで灼熱の炎が燃え上がっていた
 信じられないくらいのエネルギーの放出量

 こんな光景は・・・見たことがない


「・・・熱い」

 地面に手をあててみる

 ・・・大地が震えている
 地熱が沸き起こっているのが分かる
 ドクン・・ドクンと音がする

 星が脈打っているよう・・・


「・・・融合反応がはじまったのか」

「・・・デマンド」

「邪黒水晶の反応炉が暴走している
いつこの星が暴走を始めてもおかしくない

・・・このままだとみんな暗黒に呑みこまれるぞ」

「!?」

 星が暴走したら・・・みんな呑みこまれる
 背筋が凍りついた

「みんな!早く時空の狭間から脱出して!!
このままだと大変な事になる

・・・デマンドも」

「わたしはここに残る」

「デマンド・・・?」

「この星が我の墓場
終わりを見届ける義務がある

セレニティ・・・おまえは」


ドオン!!


 言葉を遮るかのように反応炉が爆音を上げた

 炎が生きているようにうごめく

「何・・・これ・・」


 暴走しているというより
 自ら意志を持ち立ち向かってきているように感じる

 わたしはいいように操られていたのかもしれない
 邪黒水晶に・・・この星に


 邪悪な力が炎を引き連れて這い上がってきているのが分かる
 なんて圧倒的なパワー・・・
 全身に鳥肌が立つ


 うごめく炎の刃がいきなり攻撃を仕掛けるように向かってきた

「キャッ!」

 あたしをかすめて向かっていく

 その先には・・・







 まもちゃん・・・ちびうさ!!


「だめーーーっ!!」

 考える余裕なんて一瞬もなかった
 全力で足が二人の前に向かう






 誰も死なせはしない

 あたしが守ってみせる!!





 二人の前に両手を広げて立ちつくした

「うさこ!!!」

 瞳に炎が映りこむ
 世界がすべて赤で包まれた瞬間
 ものすごい衝撃と共に意識が断ち切れた