「!!
貴様らどうやって」

「時空のはざまから空間を歪めて進入してきたのよ!
時空の鍵を使ってね」

「あたし達のプリンセス達を返してもらうよ!」

「くっ・・・!」

 セレニティを返せだと
 ・・・やっと見つけたわたしの光

 絶対に返すものか

「我が妻を奪っていくというのなら手加減はしない
お前ら全員邪黒水晶の暗黒パワーの餌食にしてくれるわ!」

「!!お願いやめて!!

・・・みんなどうしてこんな所まで
もうこの星には関わらないでって言ったのに!」

「うさぎちゃんお願い、戻ってきて!」

「私達を助けるために捕らわれの身になってしまったんでしょ?!」

「違うわ!
・・・そうじゃないの」

「あなたは暗黒パワーに洗脳されてるだけなのよ!」

「洗脳なんてされてない!!

あたしは・・・自分の意志で」

 言葉が続かない
 なつかしい声があたしを呼ぶ
 身が引きちぎられる・・・

 ・・・これを恐れていた
 かつての仲間の言葉に心揺さぶられる彼女を見たくなかった


「うさこを・・・返せ!」

「まもちゃん・・・」

 !
 ・・・こいつか
 セレニティの心に迷いを宿す元凶
 地球のプリンス・・エンディミオン

「もう彼女はおまえのものではない
男の嫉妬は見苦しいぞ」

「・・・その言葉 そのまま返す」

「!!」

 わたしを蔑む瞳
 まだ彼女に愛されているとでも思っているのか
 ・・・腹立たしい男だ

「ククク・・これを返せというのか?
おまえは知らないだろう

我が妻は中々従順でな
・・・特にベッドの中では
わたしに応えてかわいい声をあげる」

「やっ・・・」

 まもちゃんの前で・・・言わないで!

「セレニティはわたしのものだ
誰にも渡さない!」

「・・・んんっ」

 強引なキス
 まもちゃんに見せ付けるかのような・・・
 こんなの・・・いやだ

「・・・続きは後でゆっくりしようか

まずはうるさい邪魔者を血祭りにあげてやろう」

「!!やめて!
お願い、あたしの話を聞いて!」

「うるさい!!」

 !!

 逆上していてあたしの声が届かない
 どうしたらいいの・・・

「・・・みんなお願い!
あたしはいいから地球に戻って

・・・誰かが傷つくのは見たくないよ!」

「うさぎちゃん!
・・・あなたは私達の希望なのよ」
「お願い、戻ってきて」
「一緒に、帰ろう?」

「うさこ・・・
きみを必ず連れ戻してみせる」

「・・・・・・」


「みんな
タキシード仮面を援護するのよ!」


 みんな・・・
 まもちゃん・・・

「やっと見つけたわたしの安らぎを・・・
失ってたまるか!」


 デマンド・・・








 頭の中が 真っ白







 視界が暗くなって・・・何も見えない




 何も考えられない



 どちらかを選べっていうの?



 あたしに?




 目の前で起きている現実が 理解できない


 足が 体が
 自分のものではない感覚にとらわれる

 動けない・・・・・・






 何かを意識して見ようとしたつもりはなかった

 けど

 ガラス玉になったあたしの瞳に映しだされた
 スローモーションの光景


 ・・・選んだつもりはなかった




 気が付いたら足が勝手に一点へ向かっていた!





「セーラープラネットアターーーック!!」

「!!!」



「させない!!!」

 あたしの手が全力でそれを止めた!


「うさこ!!」

「・・・くっ・・・」

 受け止めた力がセーラー戦士に跳ね返る

「キャアアアアアア!!」

 そのままみんな弾き飛ばされた

「はぁ・・・はぁ」

「・・・セレニティ」



 今気づいた
 一番大事な存在に
 失いそうになって初めて・・・

 デマンド あなたを愛し始めている