地球から遠く離れた星で挙げる結婚式

 憧れだったヴァージンロード
 その先にいるのはあの人じゃない
 ・・・もう後戻りはできない
 目の前にできた道をまっすぐ歩いて彼の元へ向かうだけ




 地球を襲撃した日
 あのときから
 ずっと彼女に恋焦がれていた
 温かい光を放つ白い月のプリンセス
 それを黒で染めてしまうのは重罪なのかもしれない

 それくらい・・・
 一生背負って生きていってやる

「我が妻セレニティ
そなたを永遠に愛すると誓おう
これを・・・」

 指輪の変わりに邪黒水晶を身に着けた


 暗黒のパワーが体中にみなぎってくる
 今までひどかった頭痛が嘘のようにひいていくわ
 星が・・・あたしを歓迎する

「デマンド・・・」

 誓いのキス・・・
 ここからが始まりかもしれない






「我が妻、ネメシスの女王
クイーンセレニティよ
最初の命令を下す
ラビットをこの星に連れてくるのだ」

「・・・はい。キングデマンド様」

 最愛の妻がわたしの足元に膝まずく


「・・・行ってくるわ」

 その後姿を無言で見送った



 ・・・・・・

 セレニティを一人で行かせてよかったのだろうか
 あの男と会うことになるかもしれない
 戻ってこなかったその時は・・・

 奪い返すまでだ
 例え地球がどうなろうとな