あれからどのくらいの月日が経っただろう

 心を開いてくれたセレニティと
 何度も愛を確かめあった
 声も しぐさも わたしに向けるその瞳も
 何もかもが愛おしい
 もう誰にも触らせない
 髪の毛の先まですべてわたしのものだ


 だが・・・

 セレニティの体が日に日に弱っていくのが分かる
 横になっている時間も多くなってきた

 所詮白い月の力では
 永くこの星に留まっていれるわけがないのだ
 分かっていたはずだ
 ・・・失いたくない
 どうすればいい?


 最近起き上がる力が出ない
 頭痛もひどくなってきた
 星全体があたしを拒絶している・・・
 もう・・・限界なのかな

「セレニティ」

「・・・デマンド?」

「わたしの・・・妻になってくれないか」

「・・・え?」

「わたしの本来の目的は果たした
おまえを手に入れることだ
地球自体にはもう興味はない
お前さえ傍にいてくれれば
・・・だが、ここに留まるには白い月のパワーは永くはもたない
我が妻となり、暗黒のパワーでネメシスのクイーンになってほしい
ずっと離れないでわたしの傍に・・・」


 ・・・
 デマンドの気持ちは素直に嬉しかった
 私が残れば地球も・・みんなも助かる
 でもそしたらもう、まもちゃんには

 ・・・ううん、もう既に会うことなんてできないんだ




 その時、脳裏にあることがよぎった
 背筋が凍りつく

 でも、そうなったら

 ・・・

 ・・・ちびうさは?